ダムマニアほどではありませんが、今年に入って多少あちこちのダムを見て廻ってきました。その中で最も、一般者の見学が難しい施設が「発電施設」です。危険な場所でもあるため、まずどのダムでも発電施設の見学はNGだと言っても過言ではありません。
ですが、その最もガードの硬い発電施設を、なんと鶴田ダムでは見学の対象にしてくれると管理事務所のウェブサイトにも記載があり、とにかくこの貴重な機会を逃すまいと本当に一番楽しみにしていました。そしていよいよその貴重な施設内部を見学させて頂くことに!!+(0゚・∀・) + ワクテカ +
まず最初に迎えてくれたのがまるで大きなシャコのような放流管!!本当に大きい!!大きさを例えると、大型バスが余裕で放流管の中を通ることのできるほどの大きさだそうです。
そして、実際に触っても良いとのことだったので、放流管に手を当ててみると水の流れる振動が…さらに耳を当てると「ごぉーーーーー!!!」という放流音。つまり、この時点で水力発電が行われているということです。こんな風に放流管に触れて音を間近で聞くことができたこと自体がすでに感激で、かなりの興奮状態。(実はこの写真を見ながら感触を思い出すだけでも再び興奮しています…(ノ´∀`*))
ここからは、ダム本体の管理(国土交通省)とは別に九州電力の管轄に入ります。J-Power(電源開発株式会社)という会社の担当者が実際に管理を行っていました。
発電施設の外観を撮影し忘れてしまいましたが、施設の中に入ると管理用の機械がずらり。数年前までは、実際にこの場所に人がたくさんいて管理を行っていたそうですが、現在は愛知県にある管理事務所から遠隔操作で管理を行っているそうです。
そして、J-Powerの担当者さんに一通り発電施設の概要を説明して頂いたあと、いよいよ地下にある発電設備を見学させて頂きます。階段を降りていくと、いきなり見えてきたのは2基の発電機。これもまたでかい!!!
クリーム色の円盤状の部分が発電機の部分です。青い突起状になっている上に白く光っている部分がランプになっていて、白く点灯している=タービンが稼働中で発電が行われている状態であることを示しています。タービンが稼働中なので、「グォングォングォングォン」とかなり大きな音がしていて、声を張らないとお互いの声も聞き取りづらい程の状態です。
【地下1階部分】
奥が2号機で手前が1号機 |
下に降りてみると、壁に細かい図面が掲示されていました。
発電機の内部の説明 |
発電用のコイルの説明 |
さらに下へ続く階段の入り口にはチェーンがかかっており「見学者はここから先は立ち入り禁止」というプラカードがかかっていました。…が、案内をしてくれた担当の方はそれをあっさり外して、さらに下へと降りていきます。
【地下2階部分】
降りた先には、まず発電機内の点検用の入り口が。人がやっと1人通れる程の小さい窓の入り口です。もちろん、稼働中なので中は見せてもらえません。
そして発電機内には水量を調節するための弁があり、それを調節するために使われる圧油タンクです。
【地下3階部分】
さらにさらに下へと進んでいきます。下に降りて行くほど、轟音は激しくなっていき地下3階までくると、叫ぶくらいの声で話さないと声が全く聞き取れません。
階段の奥に見えるのは放流管 この中を大量の水が通過している |
その瞬間がこちら!!
これはなんの写真でしょうか?
動画も撮らせて頂きました。
ご覧頂けたでしょうか??
これは稼働中の発電機の、実際にタービンがまわっている様子です!!
うっかり全体を撮り忘れてしまいましたが、大きな筒状のなかに、このタービン部分が納められているような状態で、入り口が開けられており内部に人が入れるようになっています。
こんなに間近でタービンの様子が見ることができるなんて本当に奇跡に近いものだと思います。たぶんもう二度と見れないかも。
上の空間のすぐ外側には放流管がむき出しで轟音を鳴らしています。
間近に見る発電1号機用の放流管 写真の左側が上流、右側が下流で 右の壁のすぐ向こうには動画にあった空間がある |
発電設備の案内のおじさんも、一旦は、ここまで見せればいいだろう、という様子でしたが階段は実はさらに下まで続いていました。
なんかもうここまで来たのなら、せっかくだから全部見たい!!
一体どうなっているのか「私、気になります!」状態になってしまっていたので、案内のおじさんも下へ行ってもパイプがあるだけで味気ないんだけどね…といいながら、せっかくだから見せてあげると特別に見せて頂くことに。(ここからは、メインでダムの案内を担当してくれたダム管理事務所のお姉さんも、3年ダムで働いていて実は初めて入る領域だということでした。)
この階段をはるばる歩いて降りてきた 奥に見えるのが2号機の放流管 |
モーターやらパイプやら |
油圧で調整する弁の様子 |
扉の向こう側は水が充満していて この瞬間もタービンがまわっている すぐ上がさっきの動画の場所に当たる |
発電1号機用の放流管を下から見た様子 写真の左側が上流で右側が下流 右の壁の向こうがタービン |
青い配水管が張り巡らされていたのは 機械の冷却用の水路とのこと |
本当に細部まで一通り見せて頂き、やっと満足をしたところで元の発電施設の上部に戻ります。この時点で、興奮と地下の暑さからみんな汗だくになっていました(;´∀`)
タービンを抜けたあとの放流の水が川へと流れる様子を上から観察した様子です。
大量の水が吹き出すように流れ込んでいます。ここは案内してくれたお姉さんの一番好きな光景だそうで、本当に迫力ある水流の様子です。この勢いをもって発電をしているのかと思うとなんだか感慨深い…
他の発電用のダムでも、多少、形や向きに違いはあれど大まかな仕組みは鶴田ダムの発電設備と同じだそうで、ここまで詳細に見せて頂ければ他のダムへ行っても「あそこはだいたいあんな感じなんだろうな」と想像することができます。
かなり無理を言って、発電設備の最深部まで見せてくださったJ-Power担当のおじさんに本当に感謝です。これは一生忘れられない経験となりました。本当にありがとうございました(´;ω;`)ブワッ
ここで、発電設備とはお別れをして再びダム本体の堤体内へ戻ります。
▶ 鹿児島ダム紀行(鶴田ダムその他)その3
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